たぶせ在宅クリニック

和歌山市の訪問診療 たぶせ在宅クリニック

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在宅医療

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死への恐怖からの解放

先日、50代のがん患者さんを自宅でお看取りさせて頂きました。
独身の方で、ご両親と愛犬1匹と暮らしていました。
非常に気配りの方で、職場からの信頼も厚く、自宅にも頻回に職場の方が来られていました。

大病院でがん治療を頑張ってこられ、病院の主治医先生もとても熱心な治療を提供されていましたが、病状悪化で抗がん剤治療が終了となり、私に訪問診療の依頼がきました。
初回訪問では、見た瞬間に残された時間はあと1か月はないと分かりました。
急いで様々なことを進めないといけませんが、訪問看護師さんとケアマネさんが迅速に大活躍してくれました。


肉体的な痛みは医療用麻薬で緩和出来たのですが、ご本人の表情は全然変わらず険しいままです。
その原因は主に3つでした。
①死への恐怖
②自分の病状悪化しても周囲への気配りしないといけないという気持ちに縛られたままだから
③病院への外来通院(病院主治医への絶大な信頼)も心の支えだが、通院することが難しくなっているけど自分からは通院を辞めるとは決められない


ご本人の性格を見極め、かつ日に日に変化(悪化)する病状を考えながら、病院への通院をいつ最後にするかのタイミングを探っていました。
訪問開始から2週間で病状はさらに悪化したため、外来予約の前日に病院主治医に手紙を書き、明日の外来が最後の通院になることを主治医よりご本人に説明して頂きました。
その翌朝は私が自宅へ訪問し、ご本人とよくお話しをして、また父上ともお話しました。

その日の訪問看護師さんからの報告は、「先生、本人と一体何を話したんですか?昨日までとは別人のような穏やかな表情になってます」でした。
この報告を聞いて、私の「役割」はほぼ終了したと判断でき、安心しました。

その後の訪問では、すべてから解放されたご本人より深い感謝の言葉を頂戴しました。
そして数日後に穏やかな表情のままで、部屋に入りきらない大勢の家族と職場の仲間に見守られながら旅立たれました。


天上のDさんへ
貴方の穏やかな表情と笑顔は忘れませんよ。
短い期間でしたが、担当させて頂きありがとうございました。
 

2019-02-14 01:55:00

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白衣を着ない医者

私は病院を辞めて以来、医師の象徴でもある白衣を1度も着たことがありません。
このブログの写真でお気付きの方もいたかもしれません。

全国的にも白衣を着ない在宅医は増えています。
その理由は在宅医によって様々ですが、私は以下の理由で白衣を脱ぎました。

・患者さん/家族さんに不要な緊張感を与えないため
・ご近所さんに医者が来ていることを分かりにくくするため (往診車にもクリニックの名前を書いていません)

私も医師になった時は、白衣を着て颯爽と院内を歩くのが嬉しかった時代もありました。
しかしそれは単に医師の自己満足と昔からの慣習でしかありません。

白衣を着ているだけで、言いたいことが言えない人も多くおられます。
白衣を着ている人に嫌な経験をした人は、自分の家でわざわざ白衣を見たくもないでしょう。
医者が自宅に来ていることを近所に知られたくない人もおられます。

たとえ私服で訪問しても私が医者であることには変わりないのですが、極力リラックスした状態で訪問診療を受けて頂けるように配慮しています。
「医師=白衣を着ている」はあくまでも1例ですが、医師=〇〇という固定観念にとらわれず、一人一人に適した訪問診療を常に心掛けています。





いつもの診察風景ですが、白衣を着ていないこと以外にもう一つ医師と患者さんの関係で通常とは違う点があります。
皆さん、お分かりになりますか?
 

2019-01-22 23:25:42

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本年もよろしくお願い致します

明けましておめでとうございます。
今回の年末年始は体調を壊すこともなく、ゆっくりと過ごすことが出来ました。
しかしお看取りもありましたから、しっかりと自分の役割を果たせました。

さて、今年も在宅ホスピスケアを提供しながら、昨年の反省を忘れずに自分自身の在宅医療のスキルアップにも励みます。
本当に患者さん/ご家族さんから教えて頂くことばかりです。
同時に在宅医療の普及のために様々な活動を考えています。

皆さん、健康であること・毎日食事が出来ることは当たり前ではありませんよ。
お一人お一人の人生に真剣に向き合っていると、とにかく自分が健康で日々仕事が出来ることに感謝しかありません。
自分に与えられた在宅医としての「役割」を、愚直に務めたいと思います。


受け持ち患者さんが多くなっているので、ご新規の方のお引き受けが時期によっては難しいことがあります。
人数が多いと様々な無理が生じるのを昨年痛感しました。
引き受けた以上は常に自分の100%を提供したいので、受け入れ制限は継続致します。
せっかく新規のご依頼を頂戴してもお断りすることがあるとは思いますが、どうかご了承下さい。

まだまだ未熟な在宅医ですが、今年もどうぞよろしくお願い致します。


 

2019-01-04 19:42:36

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年末ですね

今週もあっという間に金曜日になってしまいました。
今日は暖かったですが、年末のせいか道路が混んでましたね。

12月29日~1月3日までの定期訪問は休みますが、緊急の時はいつも通り私が対応します。
現在担当させて頂いている患者さんとご家族さんは、安心してお過ごし下さいね。




せっかくの機会なので、この休み中に読む本を買いました。
1人院長だとどうしても考えが偏って来るので、自らを戒め在宅医としてもっと成長出来るように、先輩ドクターから学びたいと思います。
 

2018-12-21 17:46:27

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初めての小児在宅

以前のブログで書いた新生児(Kちゃん)の在宅医療ですが、9月中旬より開始し2か月を超えました。
重い難病のため、口からは食事を摂れず、栄養は全て胃ろうからの注入です。
体重も横ばい状態で、生後9か月を超えましたが2000gです。


私は小児科の経験はないのであくまでもサポート役で、病院の小児科医と訪問看護師さん達がメインです。
特に訪問看護師さんは難病などの小児看護の経験豊富な人たちなので、僕も安心して在宅医をお引き受けしました。

残念ながら今の医学ではKちゃんは治ることはありません。
治らないという点では末期がんの方と同じです。
毎日必死に生きているKちゃんを診ると、自分に足りない部分を教えられている感じがして本当に貴重な経験をさせて頂いています。
Kちゃんとご家族のために、自分に与えられた役割をしっかりと務めます。

 

2018-12-05 18:50:00

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在宅医がもっと増えますように

先日、将来在宅医を目指しておられる医師3年目のY先生が1日見学にお見えになり、緊急の往診も含めた計6人のバラエティーに富んだ患者さん宅へ同行訪問しました。
診察や説明だけでなく患者さん/家族さんとの距離感、訪問看護師さん/ケアマネさんへの密な連絡などを私の真横で見て頂き、多くのことを感じられたと思います。
私にとっても若い先生が見学に来てくれるのは楽しみでもあり仕事の張り合いにもなります。
Y先生、将来一緒に和歌山の在宅医として働けることを楽しみにしています。


さて、今週は和歌山の研修医の本丸である「和歌山医大 卒後臨床研修センター」で講演をさせて頂きます。
先方より頼まれたのではなく、こちらからの直談判で許可を得て講演するので、果たしてどれくらいの研修医に聞いて頂けるかは分かりません。
少しでも興味をもってもらえるように、敢えて挑戦的なタイトルにしてみました。



さあ、講演の結果はどうなるでしょうか。
うまく出来ればここで報告しますが、討ち死にしたら触れませんのでそっとしておいて下さいね。
 

2018-12-02 23:18:13

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思い出の本

東京で在宅医療の勉強をしていた時に、一緒に働いていた看護師さんから1冊の本を頂きました。
その看護師さんは在宅看護の勉強のために働かれていましたが、残念ながらご自身の病気のために看護師を続けることができなくなりました。
職場をお辞めになる時にこの本を渡されて、「本人/家族の痛みが分かる在宅医」になって下さいと言われました。



開業してもうすぐ1年半です。
和歌山の在宅医療の「功」は当然ですが、残念ながら「罪」の部分も少しずつ見えてきました。
何事も綺麗ごとだけではないのがこの現実社会ですし、私には他人さんをどうこう言う資格はありません。
この本の花戸先生にはまだまだ遠く及びませんが、私は高い志を忘れずに日々の在宅医療に従事したいと思います。


東京で応援してくれているTさんへ
あなたから頂いた気持ちを忘れずに毎日訪問診療をしています。
僕は当分東京には行けませんが、いつか再会できる日を楽しみにしてますね。

 

2018-11-26 13:27:05

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NHKスペシャル 

先日放映されたNHKスペシャル 「人生100年時代を生きる 第2回 命の終わりと向き合うとき」を見た方も多いのでは。
内容の一部には?の部分もありましたが、概ね我々が直面している問題を正面から取り上げられていたと思います。
数年前なら放送すること自体が考えられなかった内容ですが、それだけ切羽詰まっている問題である表れですね。

日々、在宅医療を通じて人生の最終段階と看取りに関わっていますが、本当にケースバイケースです。
番組内の偉い学者先生がおっしゃることは正論ですが、現実には決して正論どおり人は考えられない事が多いです。
アドバンスト・ケア・プランニング(ACP)も常に行っていますが、すんなりと決まらないケースは多々あります。
ACPは本当に気を遣いますので、我々在宅スタッフには気力と調整力と時間が必要です。

勤務医時代には「癌の告知」を数多く行っていました。
告知の前日にはどのようにして伝えるかをケース毎に考えて実践していましたが、私にとってはACPはそれ以上に難しいです。
しかし難しいからこそやりがいもあるので、少しでもACPが上達するように学びながら経験を積みたいと思います。


件のNHKスペシャルを見逃した方、深夜ですが再放送がありますよ。
是非ご覧下さいね。
NHK総合 2018年11月28日(水)午前0時40分~1時29分
 

2018-11-20 19:32:43

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まだまだ知られていません

10月は怒涛の毎日をこなしていましたが、ようやく一段落しました。
11月は少し休みながらと思いますが、やるべき事は山積みです。

世間(の一部)では「在宅医療」が声高に言われていますが、まだまだ認知度は低いです。
先日新規で開始となった新規の患者/家族さんは、訪問診療/訪問看護の存在自体を全くご存知ありませんでした。
医師会/看護の団体/行政等が啓発活動はしていますが、もっと認知度が上がるように私も更に努力しないといけませんね。
今2つの啓発活動を計画していますので、具体的に決まればお知らせしたいと思います。

それと12月には和歌山医大の研修医の先生方に講演させていただけることになりました。
今回は短い講演時間しか頂けませんでしたが、しっかりとインパクトを与えられるように内容を練りたいと思います。


先日の講演会後の感想で、「温かい医療をされていますね」と言って頂きました。
在宅では病院のような高度医療は出来ませんが、どのような心で診療するかは医師自身の気持ちだけで可能です。
そして私の仕事を支えてくれる全ての人に感謝です。



 

2018-11-04 23:42:45

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自利利他

私は患者さんに在宅緩和ケアを日々提供しています。
私的にはまだまだ自分が理想とする在宅緩和ケアの半分にも到達していませんが、周りからは「どうしてそこまでするの?」「そんなこと和歌山では出来ないわよ。無理無理。」とか言われることがあります。

しかし全国には素晴らしい在宅医療を提供している施設はたくさんあります。
「和歌山レベル」ではなく「全国レベル」で、常に患者さん/家族さんに対応したいと考えています。
困難なケースでは振り回されますし、もう2度関わりたくないと思うケースもありますが、それらを我慢して訪問を継続すると必ず自分が鍛えられます。
この仕事を辞める時と自分が死ぬ時に、自分の行った仕事を振り返ってどういう心境になるのかを楽しみにしています。
去年読んだ本の中に「自利利他」という言葉がありましたが、まさにこれを追求していきたいと考えています。
言葉の意味は皆さんで調べて下さいませ。






 

2018-10-15 11:43:21

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