たぶせ在宅クリニック

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投げキス

投げキス

10月から土曜日を休みにしましたが、午前中3人の訪問を行いました。
そのうちのお一人は、80代のがんのお爺さんです。
超難聴で、耳の横でメガホンで話してもほとんど聞こえていません。
几帳面な性格の方で、7~8種類の内服薬を全て自分で管理していて、1錠も欠けることなくキッチリ飲んでいます。
万事こんな感じなので、家族の言うことは聞かない方です。

今日訪問すると、家族からどうしても一つだけ本人に言い聞かせて欲しいことがあるので、先生から言って欲しいと言われました。
その旨を筆談とジャスチャーを交えて本人に伝えると、OKサインと共に、何故か投げキスをされました。
すぐに僕も投げキスを返すと、ニッコリと微笑んでくれました。
奥様は本人がそんな事をしたのは55年間1度も見たことがなかったようで、とてもビックリされていました。

人生初の投げキスを、80代のお爺さんから頂戴した1日となりました。
同時に55年間付き合っている妻でも見たことない本人の一面を、(偶然ですが)引き出せた経験をさせて頂きました。



今日は早朝にがん患者さんのお看取りも1件ありました。
60日余りのお付き合いでしたが、気遣いの人でいくつもの学びがありました。
帰り際の決まり文句は、「先生また来てよ、それが私の希望でもあるからね」

日野原先生のお言葉です。
【ガンの末期状態にあっても、明日という日に何かの望みがあれば人間は生きられるのです】

Kさん、ご冥福をお祈りするとともに、ありがとうございました。

 

2019-10-26 23:05:13

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