院長コラムhead doctor’s blog
最近感じたこと②25.8.26
②私は当たり前と思っていたけど・・・
開業以来よく言われるのが、「24時間365日対応を1人で行うなんて凄いですね」「在宅で看取りまでするのは、覚悟が違いますね」です。
言葉通りの率直な感想を頂く時もあれば、言外に真逆の意味が込められている時もあります。
どんな場合でも私的には「自分の好きな事をしているだけで、覚悟なんてしたことない」と思っていました。
しかし最近、自分は覚悟しているんだなと感じる瞬間がありました。
参加した勉強会に帰り際に、ある開業医の先生から声を掛けられました。
「私は普段訪問診療を積極的にしていないが、最近末期癌を1人担当しました。症状が悪化して私も訪問看護師も自宅で担当し続けることが不安になったので、本人/家族は入院を希望していなかったのに入院となりました。田伏先生ならこんな時どうされているんですか?」
お話しは上記の趣旨でした。
症状悪化の内容を伺うと確かにかなり難しいケースでしたが、私の場合はご本人/ご家族が入院を希望しない限り、私が不安だからという理由で入院を勧めることはあり得ないです。私が訪問しても苦痛緩和が出来ないような難しいケースでも、それでも「やるべき事」「やれる事」は必ずあります。その事を開業医の先生にお伝えしながら、「そういう意味で私は覚悟しているんだな」と気付きました。
現在担当している患者さんにも、症状緩和の手段を使い切っている患者さんがおられます。
ですので私が訪問しても、ご本人の症状は変わりません。
その患者さんは私の帰り際に「私を見捨てないで下さいね」と必ずおっしゃいます。
私は患者さんの手を握りながら、「〇日〇時にまた参ります。それまでに何かあれば必ず往診します。」と毎回お伝えしています。
何も難しいことではなく、極めて単純な事です。
これが、私の覚悟であり、私の方針であり、私がやるべき事です。
気付かせてくれた勉強会での開業医の先生に感謝です。

現代の建築基準からすると無法地帯のような空間ですが、何故か惹かれます。
いつも行くお店の大将は、私の顔を見るなり「毎度お兄さん、今日は何にする?」と。
こんな会話が出来るお店もどんどん減っていますが、営業している限り通います。