院長コラムhead doctor’s blog
年末ですね25.12.16
温暖な秋は過ぎ去り、あっという間に冬となり、年末ですね。
先月から今月は結構走り回っています。
先日お看取りまで担当させて頂いたご家族様と話す機会がありました。
かなり悪い状態で入院していたご本人が「最後だけでも家に帰りたい」と希望され、退院するかどうか迷っていたご家族さんが自宅退院を決心。
私が依頼を聞いた時点で残された時間は短いと判断し、最短で退院できるように手配しました。
自宅に退院した日に訪問すると、ご本人は笑顔でしたが実際に診察すると状態は予想通り悪かったです。
その日からの症状緩和を提供しながら、残された時間で何が出来るかを訪問看護師、ケアマネ、ご家族と相談しました。
入院中はシャワーしか入れずお風呂に入りたいと希望があったので、ケアマネさんがすぐに訪問入浴を手配してくれました。
訪問入浴は直近の日で予約するのは難しいことが多いのですが、今回は運が良かったのか、機転を効かせてくれたのか、すぐに予約出来ました。
久しぶりの入浴でゆっくりとお湯に浸かり全身を綺麗にして頂き、その2日後に静かに旅立たれました。
退院してからわずか7日間の自宅療養でした。
ご家族とお話しの中で、「先生も看護師さんもケアマネさんも、本人と同じくらい私の相手もしてくれたので、たった7日間でも安心して過ごせた。自宅退院して本当に良かった。」と言って頂きました。
ご本人とご家族の希望に沿うというのは、言うは易し行うは難しです。
いつも成功する訳ではありませんが、年中心掛けていると成功率も上がります。
私に与えられた役割とは何かを改めて再確認させて頂きました。
N様、心よりご冥福をお祈り致します。

「亀ちゃんのみかん」
ご存じの方もおられるでしょう。
見た目も味も素晴らしいスイーツです。
亀ちゃんは、この作品を創ったパティシエのお爺さん(みかん農家)のお名前だそうです。
実は私の祖父もみかん農家でした。
祖父の地元では、「源治のみかん」で有名だったそうで、祖父が亡くなって20年経ちますが未だに祖父のみかんを知っている人に時々出会います。
美味しい物は時を超えて人の記憶に残るんですね。