院長コラムhead doctor’s blog
在宅医療の家族負担19.11.21
国の政策として在宅医療を推進していますが、家族負担は必ずあります。
しかしその家族負担はどこまでしっかり対応してくれる在宅医と訪問看護ステーションに頼むかでも左右されます。
私は極力ご本人だけでなく家族サポートにも配慮していますが、それでも完璧なフォローは出来ません。
しかしやる気のある訪問看護師さんなら大いに活躍してくれますので、家族だけでなく私としてもかなり助けてもらいます。
家族内では喧嘩になるような事でも、他人である我々が上手に間に入ることでスムーズに事が運ぶことも多いです。
出来るだけ家族負担が減るように訪問看護師さん、ケアマネさんと協力して最大限の対応を心掛けています。
具体的には・・・、
家族が不在の間が心配な方には、その不在の間に訪問するように予約を取ります。
症状的には頻回訪問が必要でない方でも、精神的なサポートが重要な場合は、出来るだけ訪問回数を増やします。
早朝や夜にどうしてもDrかナースの訪問が必要な場合も、出来るだけ相談に乗ります。(さすがに深夜の予約訪問は厳しいですが)
訪問するほどではない場合でも、私からフォローの電話を掛けることもあります。
一人一人の状況に応じた、個別的な対応を常にしています。
それでも家族負担は、必ずあります。
どうしても自宅療養が維持できない状況になった場合、又はなる前に、ご本人/家族さんと相談の上で入院できる病院を手配します。
入院する場合はその時の移動手段も必要なら手配します。
「医者は病気しか診ないと思っていたので、ここまで相談に乗ってもらえるとは思っていなかった」や「予想を超える対応でした」と言って頂けると、それまでの労力が吹っ飛びます。
在宅医療は綺麗ごとだけでなく厳しい/難しい面もありますが、可能な限り家族負担の軽減も常に意識して訪問しています。
先日より担当している小学生のがんの患者さんも、ご家族の疲れがピークに達していました。
そんな中、ご本人は肺炎となってしまい、深夜に往診し相談の結果入院することになりました。
- 病院の当直医に電話で病状説明と入院の必要性を説明
- 移動は救急車のため119番通報を行い、消防隊に状況説明
- 病院までの救急車にご家族と共に同乗
そして無事に病院に送り届けました。その後、
- クリニックに戻って紹介状を作成して病院へFAX
後日、担当の訪問看護師さんが病院でご家族とお会いした際は、入院して家族負担が減ったので、家族さんはホッとされていたとのことでした。
たった1か月だけでしたが自宅療養でき、家族や友人との外出等で有意義な時間が過ごせたことから、私の役割はある程度果たせたのかなと思います。
先日、和歌山城を散歩していたら、お堀の船が出ていましたので、乗ってみました。
普段では見れない角度で和歌山城周辺の景色を楽しめました。
石垣造成の秘話も聞けて、ちょっとおもしろかったです。