院長コラムhead doctor’s blog
私の役割の本質とは21.11.7
今日、とあるオンラインの会に参加しました。
和歌山から遠く離れた都市の緩和ケア病棟の事例検討でした。
1人のがん患者さんへの関わりについてプレゼンがありました。
緩和ケアの専門的な資格をお持ちの医師や看護師がとても熱心に関わっておられたのは分かったのですが、良かった点、難しかった点などの振り返りの全てが医療者目線なんです。
そこにとても違和感を持ちながら聞いていると、他にも同じ印象を持った参加者がおられました。
私やその方が、ご本人やご家族はどう感じて評価していたのか質問したのですが、残念ながら医師からも看護師からも明確なお返事はありませんでした。
私はモヤモヤしたまま事例検討は終わりましたが、自分の今の立ち位置は再認識出来ました。
これからも医療者目線だけになることのないように、気を引き締めて日々の役割に臨みます。
以前参加したオンライン勉強会で伺った緩和ケア病棟医のお言葉です。
医療者は医療の専門家であるが、患者のことは素人である。
患者は患者自身の人生の専門家である。
医療者が考える医療的最善が、必ずしも患者が望んでいる事ではない。
私の役割の本質は、医療知識を持った伴走者として訪問することです。
だから在宅医になってから白衣は1度も着ていません。
1回の訪問時間を十分に時間を取り、ご本人/ご家族とコミュニケーションをしながら一緒に方針を考えます。
在宅医の醍醐味の1つは、仕事中に四季を感じられるということです。
今年の秋もどんどん過ぎていきますね。