たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

まるで合宿のような24.3.28

在宅医療

在宅医療をしていると訪問先は様々なので、自分で運転していると異様に道に詳しくなります。
開業して6年以上経っていますが、いまだに生まれて初めて聞く地名と出会います。

昨年のケースですが、初めて聞く地名にお住いの方の依頼が入り、地図で確認するとクリニックから30分かかる場所でした。
Kさん(50代、男性、癌の末期状態)は入院中でしたが、余命僅かですぐに退院したいという希望でしたので、退院前カンファレンスは行わずに退院直後に自宅へ訪問しました。

自宅へ行くと、まず目にしたのが玄関に入りきらない靴の多さでした。一体何人いるのかなと思いながら入室すると、リビングには大勢の人がいて熱気ムンムンという状態でした。

Kさんはベッド上で寝ていましたが、大量腹水のため「怠いわ、しんどいわ、痛いわ、先生なんとかしてくれ」とずっと懇願されていて、周囲の方々も全員が私を見ながら「なんとかしてやって下さい」と希望されています。

病院から紹介状やある程度の情報を得て自宅へ訪問したので、「このケースは大変だろうな」と思いながら伺いましたが、私の想像を遥かに超えていました。

家族関係が複雑な方で、一緒にいる人がどういう関係なのか1回聞いただけでは理解出来ませんでしたが、すぐに気付いたことがあります。それはKさんはこの周囲の人達のことをとても大切にしてきたことと、周囲の人達はKさんの余命が僅かであることをよく理解していて最期までとことん面倒をみてあげたいという気持ちで全員が1つにまとまっているということです。

それに気付いた瞬間、私もKさん達にとことん付き合おうと覚悟を決め、今日からまず1週間はKさんは毎日訪問が必要=移動に時間が掛かるため訪問スケジュールは大幅に変更せざるを得ないと判断しました。

それからKさんが旅立たれるまで僅か6日間、想定外な状況も含めいろんな事がありましたが在宅医療スタッフ(私や訪問看護師さん)と家族さんは一致団結して出来る限りの対応を尽くしました。
お看取りの際は、夜中にも関わらずKさんのお母さんもお見えになっていて、全員でのお看取りとなりました。

私は大学時代に運動部に所属していて、春休みや夏休みには合宿がありましたので、4日目か5日目の訪問の帰りに運転しながらふと感じたのが「まるで合宿」だなということです。
Kさんの訪問診療より当時の合宿の方が何倍もきつかったですが・・・。


くっついたり、離れたり、仲良し兄弟は気ままに暮らしています。