たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

今日から2月ですね22.2.1

在宅医療

1月もあっという間に過ぎてしまいました。

寒さのせいもあるのですが、高齢の非がん患者さんで亡くなる方が続いています。

ゆっくりとした経過で老衰で亡くなる方、急な経過で突然亡くなる方、本当に様々です。

お一人お一人、ご家族への対応もさせて頂きます。

ここ数カ月でヒシヒシと感じる事があります。

それは、社会の仕組みが高齢者にとってどんどん不便になっているということです。

店舗ではセルフレジが増えており、店によってセルフレジの使い方はバラバラです。

私自身の話しですが、先日ある店舗でセルフレジの使い方に戸惑ってしまいました。

幸い私の後ろにお客さんがいなかったので、店員さんがすぐに対応してくれましたが、レジが混んでいたら高齢者でもないのに迷惑を掛けるところでした。

銀行は支店を集約化し、支店が近くにない徒歩しか移動手段を持たない高齢者には不便です。

あるスーパーの受け付けカウンターで用事をしていると、隣に80代くらいお婆さんが来ました。

店員さんに、「夫が亡くなったので○○銀行口座の名義変更したいのですが、どうしたらいいですか?」と聞いていました。

家族が亡くなった時の手続きは銀行口座だけではないですから、このお婆さんは恐らくとても苦労するのだろうなと思いながら席を立ちました。

私の担当している患者さんには、90代半ばで自分一人で歩いてATMまで行きお金を引き出せる方や、80代でスマホとスマートウォッチを使いこなして、パソコンでネットショッピングをしている方もいますが、そういう方はごく少数です。

皆さんは和歌山市の人口は毎年どれくらい減っているかご存知ですか?

スーパーも銀行も、今後の超高齢化社会を見据えて生き残りに必死です。

全てのサービス業は、今後担い手が急速に減少します。

もちろん医療や介護もその例外ではありません。

自分で考えて自分で備えないと、私が高齢者になる頃には周りの人が助けてくれるのは難しいかもしれません。

何故なら、店舗は限りなく無人やロボットサービスになっている可能性が高いからです。

そしてここに、私の在宅医引退後の最後のご奉公に何をすべきかという課題のヒントが隠れている気がしています。

嫌でも社会の現実を目の当たりにするのは、在宅医という仕事だからこそです。

逆の言い方をするならば、社会問題に目を背けては在宅医として良い仕事は出来ないということを実感しています。

アンテナを張り巡らせて日々街中を走り回っています。