院長コラムhead doctor’s blog
1年経っても20.10.26
すっかり秋の気候ですね。
ちょうど良い季節は一瞬で過ぎてしまいますが・・・。
先日、1年前にお看取りをさせて頂いた方の奥様からお電話を頂きました。
ご本人は60代のがん患者さんで、私が担当したのはわずか6日間でした。
初回訪問の時点でとても厳しい状態で、ご本人とはほとんど会話は出来ず、奥様/娘さんとの会話がほとんでした。
ご本人はご自身で立ち上げた会社を成功させるのに仕事三昧で、家族との時間は非常に限られていたそうです。
家を独りで守ってきた奥様からすると、1年経っても心の整理がつかず、コロナもあってほとんど外出もされていなかったと。
最近になってようやく友人とお茶を飲む約束が出来るようになったとお話しされていました。
ご家族には長くて短い6日間だったことでしょう。
奥様の振り返りやご本人への想いを伺い、改めて労いの気持ちをお伝えしました。
電話の後半には声も明るくなり、感謝の言葉を頂戴しました。
毎日必死に生きておられる方のお傍にいるからこそ見えてくる世界があります。
お亡くなりになった方のご家族と話すことで、何が大切かを教えて頂けます。
人が生き、死ぬということは一体どういうことなのか?
私が在宅医として果たすべき役割は何なのか?
私も仕事バカと言われているくらい仕事三昧ですが、実はちゃんと趣味も楽しんでしっかりと気分転換をしています。
上記の奥様からも心配して頂きましたが、今のところ燃え尽きる予定はありませんのでご安心下さい。
10年以上前の本です。
デーケン先生と紀伊國先生は今年相次いでお亡くなりになりました。
久しぶりに読み返してみると、改めて学びがありました。